炭鉱跡地を訪ねて

今週はドラムへラーという所に行ってみました。

ドラムヘラーはカルガリーから1時間ちょっとの所にある小さな町で、化石が大変有名です。景色が特殊なせいか「シャンハイ・ヌーン」や「ラットレース」など映画のロケ地にもなったりしてます。また蟹江敬三の出身地としても知られています。それはウソです。

しかし今回見に行ったのは、1979年に閉山になったと言われる炭鉱の跡地でございます。これは廃墟ファンにはたまんねぇスポットでございやす。



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シロメの住む所からは約500km。朝4時に出発して日帰りする強行スケジュール。



これが多分朝5時頃です。太陽から逃れるように西へ走ります。
道はまっすぐなので、眠気との闘いに勝てさえすればそんなに大変ではありません。



5時間ぐらいですかね。ようやく町に着きました。町は恐竜だらけ。
山っつーか、丘を久しぶりに見た・・・。(シロメの住んでる所は土地が完全フラット)



でこぼこ山を縫うように川が。やっぱ人間、山や川、緑があると安心しますね。



そしてそう、これが炭鉱の跡地。建物から山に向かってパイプが伸びてますが、あれを通して山で取れた石炭を建物の方に送ります。



オール木造。建物のあちこちから太い金属のワイヤーが引っ張られてて、倒壊寸前っぽくて怖い。


管理事務所も結構質素な建物で、従業員も少ない。シロメが行ったときは2人で切り盛りしてました。
料金体系は、

  • ただ入るだけ 7ドル
  • あのパイプ部分に入るツアー 9ドル
  • ロッコみたいなのに乗れる+あの建物に入れるツアー 12ドル
  • それを両方! 14ドル


のようになってて、1番(7ドルプラン)だと遠巻きに施設を眺めることしかできないww

最初「こいつら鬼だなwww」と思ったシロメでしたが、これ施設の状態維持にものすごいお金がかかるらしくてですね、これが皿とかツボだったらガラスケースに入れとけばいいですけど、建物全体が対象ですから・・。
あとはパイプ部分も建物も「ちょっと危険な状態」みたいでw、「ガイドが付かないとマズいだろう的」な空気も。


これツアーを取ってみて印象ちょっと変わりました。ガイドの人がパイプを伝って山の上まで全工程(45分)徒歩で案内してくれますし、マイクも使わずに地声で説明、ジョークもはさんだりしながら元気良くやってくれます。この手作り感はナカナカ楽しめます。




シャワー室(多分彼らには風呂を意味する)。上からぶら下がっているカゴに着るモノ等を入れます。
チェーンの先端は鍵がついており、鍵を持っている人しかカゴを下ろして取れない。なるほど!



いよいよ出発である。全員がこのようにランプ付きのヘルメットをかぶる。バッテリーの重さがパねぇ。



そしてパイプ部分を昇っていく。徒歩で。老朽化で所々床が抜けている。

僕は最後尾なのでこの人が滑り落ちて来たら、僕一人で支えなければいけない。責任重大。



奥に行くと光が届かなくなる。暗がりでガイドさんが説明してくれる。
炭鉱内でトイレに行きたくなったら、当時はどうしていたのか。大の方だったらどうすんのか、とか。
地元の元炭鉱夫から直接聞いた話なので、登場人物に名前やバックグラウンドがあって面白い。

元炭鉱夫たちはまだこの付近に住んでおり、施設の修繕に協力してもらったり、貴重な体験談を集めたりしているらしい。
話を聞いていると「あぁ、この人たちは炭鉱夫が、この施設が好きなのだな」と思わせられる。




ガイド「で、炭鉱内はまだ修復中で、危険なので入れません。」

ウゾォオオン!何それ!

ライト付きヘルメットまで被らされてそれかよ!もう頭に被せて安全なんだから中に挿れてよ!

この洞窟を観光できるレベルに修繕するにはトンデモナイ額がかかるそうで、「何年か後、中まで見られる日がくるかもよ」と言ってました。

シロメの胎内回帰願望はまだ満たされないままです。



周囲にはこのように朽ち果てたグッズが散在している。



なっ、何コレ。何この凶悪そうなマシーン。


そんなワケでこのアトラス炭鉱。観光の中心エリアからちょっと離れてますし、交通アクセスも悪い。しかし何というか「この炭鉱を史跡として残していこう」という地元の人たちのアットホームな情熱は、味わってみる価値があると思います。もしカルガリーなど訪れる機会があったら、行ってお金を落としていってください。



帰りにつり橋に寄ってみました。昔風の情緒のある形かと思ったらめっさ金属製でした。床もスケスケです。



次回は爬虫類ワールドのレポートをお送りします。