26kmの未舗装路を抜けてたどり着いたゴーストタウン

Rowleyの町を離れ、Dorothyという別のゴーストタウンに行ってみることにしました。何せ今日どんだけ疲れても明日は休みですから!おっさんになるとついつい明日の体調を考えて行動してしまいます。「大人はどうしてすぐ疲れるの?」「そうじゃなくて、疲れないようにしてるんだよ」そんな感じのセリフがパパ・ユーアクレイジーにありました。

Rowleyはドラムへラー(化石が有名な町)の北にありますが、Dorothyは南東にあります。そのため一旦ドラムへラーに入ったあとで、目的地を目指します。



大きな地図で見る
(シロメはプリンターを持ってないので、地図はGoogleマップから手で写しました。貧しい・・・)


さて、ここで前回(Rowley)の教訓から学んだ事をおさらいしましょう!それは「大きな道路から最短距離で到達できるルートが安全」という事です!つまり、たとえ近回りに見えても未舗装路や悪路なら意味が無い、舗装路からどれだけの距離があるかが重要でございます!


・・・間違ってた。

未舗装路+「Dorothyまで26km」のサインが・・。

一瞬の沈黙。か弱く傷つきやすい思春期の少年少女を現す言葉として「翼の折れた天使(エンジェル)」というのがありました。わたくしも「タガが外れたサラリーマン」としては一部業界内では名の知れた存在です。エンジェルのように純粋で優しくはありませんが、捨て身の攻撃には定評があります。

「行こう」

私はネクタイを外して額にしっかり巻きつけると、ハンドルを握ったのです。



向こうの山が遠い!あの山とこちらの山の間に、谷があるからなのです。この先、見下ろすような急斜面。



小さいひまわり。さすが、これだけ水が無いエリアでも咲いてる。大陸のものはすべて大きいのかと思いきや、こういう小さいものもあります。



しかしこのたんぽぽはでけぇえええ!何?放射能の影響?石油から養分でも得たの?そもそもコレはたんぽぽなのか!



うねうね道が続きます(写真に撮る余裕がありませんでした・・・くっ・・!)。家、人、一切無し。すごい解放感。



そして到着!長かった!かなりショックだったのが、すぐ目の前に舗装された道があって車がバンバン通っていたこと・・・。俺、道間違いすぎ・・・(手描きの地図を握り締める)。



ねぇねぇ、見える?あの山のてっぺん、分かれてるとこがあるでしょ?ワタシあそこから降りてきたの。他に普通の道あるのに。てゆーか普通の道路からあの山のてっぺんまでわざわざ登って、そして降りてきたの。他に普通の道あるのにッ!あるのにッ!(手描きの地図を破り捨てて)



こういう山を背景にすると、廃墟も一味違うのう・・・。まるで別世界。ここは元々学校か何かがあったエリアのようです。今ではキャンプ場になっています。



北米のゴーストタウン、かならず教会があります。というかどの地域のコミュニティにも教会があるのね。この村にはカソリックとユナイテッドと2つの教会があり、こちらはカソリックの方です。



商店の跡か・・・いや床屋っぽい雰囲気もあるぞ?店らしい建物はこれ一軒だけでした。一時100人近くまでなった人口も、現在は4人。



家と車。なぜこの人は、家だけでなく車までも捨てていかなければならなかったのだろう。ジェイソンに追われていたんだろうか(運転席の窓ガラスが割れてる)。色々想像してしまいます。



サイロ。一般にエレベーターと呼ぶようです。これの稼動数はその土地の人口や農業の規模を表します。稼動が停まった日が、実質的にゴーストタウンになった日になるのです。 このサイロは1928年に建てられた、最盛期は3つ稼動していたとの事。



こいつらゴーストタウンで民宿経営しとる!しかも廃屋を看板に!!たくましい・・何てたくましいんだ・・・。



今回もまた、開拓者達のたくましさを見せつけられる結果になってしまいました。しかし背景が変わると雰囲気も変わるもんです。より荒涼とした雰囲気を味わうことができました。


ところで、1900年代初頭にこの村に郵便局を作って欲しいと申請した時に、商店経営者が「村の名前はPercyvilleに」というリクエストを添えました。しかし郵便局側が「この土地にはじめて移り住んだ人の、娘の名前にしよう」と。それがこの村の名前、Dorothy(ドロシー)の由来だそうです。


ドロシーはオズの魔法使いに出てくる女の子と同じ名前。オズの魔法使いは、当時のアメリカ経済に関する寓話という説があるんだそうで、それぞれのキャラクターが政治家、市民、思想などと表しているんだとか。

* ドロシー:アメリカの伝統的価値観
* トト:禁酒党(Teetotalers)
* かかし:農民
* ブリキの木こり:工場労働者
* マンチキン:東部市民
* 臆病なライオン:1896年民主党大統領候補ウィリアム・ジェニングス・ブライアン
* 東の悪い魔女:第24代大統領グローヴァー・クリーヴランド
* 西の悪い魔女:第25代大統領ウィリアム・マッキンリー
* 魔法使い:共和党議長マーク・ハナ
* オズ:金の単位オンスの略号(OZ)
* 黄色いレンガ道:金本位体制


ドロシーは最後に、家に帰る道を見つけるが、黄色いレンガ道(金本位体制)をたどるだけでは見つからなかった。

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AA%E3%82%BA%E3%81%AE%E9%AD%94%E6%B3%95%E4%BD%BF%E3%81%84


ドロシーという名のゴーストタウン。カナダのドロシーは、その後帰り道が見つかったのでしょうか。