北の鳥沼、南の米原

おととい右ケツにものすごい発疹が出ましてね、おまけに神経痛みたいな痛みが収まらないので病院に行ったところ、帯状疱疹という病気にかかったみたいです。1週間ぐらいで治るみたいですがケツがwwwケツが痛いwwwあと当然診察ではお医者さんにケツを見せるわけですが、その時は脳内で「敗訴」という紙を持った人が走り回ってましたね(半ケツ的な意味で)。

そんな事はどうでもいいのですが、僕は10代の頃、バイクでキャンプ旅行をするのが好きでした。きっかけは「振り返れば地平線」という本を読んだことでした。

北海道には日本で唯一、ホンモノの直線道路が見られる開陽台という所があって、年に一度、満月の夜に全国からバイク乗りが集まってくる。何年越し、なかには10年越しの「またここで逢おう」という約束を果たしに。



それを読んだ僕はアルバイトで一年かけてお金を貯め、テントや寝袋を買って旅立ったのです。はるか直線道路の向こう、開陽台を目指して。北海道には僕のようなバイク乗りが夏の間たくさん訪れますが、彼らは昔ミツバチ族と呼ばれていました。夏になるとブンブン飛び回ってうるさいからですwwwしかし観光収入源として歓迎する向きもあり、当時は日石のスタンドとホクレンのスタンドではバイク乗りがガソリンを入れると三角旗をプレゼントしてくれていました。コレを集めるのも北海道の旅の楽しみの一つでした。

テントと寝袋で旅する人たちは自分たちの事を「キャンパー」と呼び、「キャンパー道」とでも言うような求道精神まで生まれました。僕が以前聞いたすごいキャンパーの話としてこんなのがあります。

その男はキャンプ場につくとおもむろに林に向かい、落ちた枝を拾い集めて火を起こした。しばしの間火を見つめながら缶ビールを飲んでいたかと思うと、おもむろにビールの缶を二つに折ってコップを作り、それを鍋がわりに米を炊いて食った。

すげぇwww何というワイルドさwww一方、僕は申し訳なさそうにガスコンロとアルミ鍋を使ってましたが、あまり現代機器に頼りすぎるのはキャンパー失格なのです。真のキャンパーになるには、燃える木と燃えない木を見抜く能力、純粋に焚き火だけで米を炊く能力、他にもロープワーク技術などの履修が必須です。

また奴らは大変ロマンチックな連中で、キャンプのお供に楽器を携帯します。僕なども一時ブルースハープという小さなハーモニカを持ち歩いていましたが、なかにはギターや、トランペット(!)を持ってくる連中もいるそうです。キャンプ場で朝起き抜けにホルンを吹くヤツがいて大変迷惑したとかwww彼らはそうやって各々の楽器を持ち寄り、夜は焚き火を囲んで演奏会をするのです。

夏は北海道でアルバイトをしながらキャンプ生活、冬は石垣島に行きやっぱりアルバイトをしながらキャンプ生活、一年をそのようにして過ごす人達までいました。当時はバブル崩壊ど真ん中、社会には暗いムードが漂っていたし、実際会社が倒産したので旅をしているという人もいました。しかし18才の僕は、彼らの横顔からそういう悲壮感を感じませんでした。むしろ今後何十年か続く人生に、何か期待めいたものさえ感じていました。あの時キャンプ場では若造だった僕も、彼らより年上になりました。今、僕に必要なのは「何とかなるんじゃね?」というあの時の彼らのような肝の太さかな、と思うわけであります。